来年、新たな学位プログラムで環境について「考えることができる」ための授業を沢山開講しなければいけません。
ということで、昨日、富士山のほとりの小学校での授業を見学してきました。
わたしの研究室時代の大先輩と、その方が以前つとめていた研究所の先生が授業をしました。
内容は、「富士山のよりよい姿」について!
学校から富士山が見えるなんて、なんて身近な… 地域アイデンティティの象徴…
外来種やシカの食害、クマの出没、観光客の増加などの問題に対して、どういう解決策を出すのか、それによってどのようなジレンマが生まれるのかという授業でした。
まず生徒たちの事前知識がすごい!
富士山の標高が言えるのは当たり前、4つの山から構成されていることや、独立峰の知識もあって驚きです…
(それまでに富士山の授業をしているらしいです)
また、先生の問いかけに、かなり素直で活発に応答する生徒たち。
かなり高度だったと思うのですが、先生たちと子どもたちがこれまでに築いていた信頼であったり、あるいはその地域に住んでるからこその知識や体験だったり、そういうものも授業の成否に寄与するのだと感じました。
途中で課した質問紙(アンケートのプリント)を、休み時間中にパソコン(Excel)に入力するということも生徒さんにやらせていました。
自発的に手を挙げた3人で、公平に順番が回るよう、効率的に作業ができるよう、そしてミスがないよう確認し合い、こういう実習的な内容も将来のために大事だろうなと思いました。
そしてもちろん入力しやすいようフォームを事前につくっておく準備も重要ですね。
そのアンケートの結果も見ながら、誰かが得をすれば誰かが損をするような、解がひとつに定まらない問題にたいして、最終的にどの解に定めるにしろ、プロセスが重要だと学ぶこの授業。
(観光客が増えたら入山料を高くとればよいのか、その地でのみ生息する蝶を守るために、森林に遷移するのを人為的に止めるのか、など)
事前知識や生徒との関係性など前提とする条件と、期待する到達目標とを加味して、授業がつくられていくということを直に触れて学べました。
そして何より、自分がいま立ち上げを担当しているのは、
答えが簡単に出せない、まさに社会的ジレンマの問題に、自分なりの専門分野をもってアプローチできる人材をつくる4年のプログラムです。
どうやって、考える・解決策を繰り出せるような人間になってもらえるか?
それには今回のような授業が非常に有効だと思いました。
恥ずかしながら教育経験がほとんどないので、来年の授業担当(ゼロからオリジナル授業をつくらなければならない…)に向けて研鑽を積んでいこうと思います。
授業後は人生で初めての富士山五合目につれていっていただきました。
雪が降りてる富士山は実は新鮮!
中国からのお客様が9割5分でした。びっくり…
曇っていましたがよい眺め
