ドイツの有名新聞紙、Die Zeitのオンライン版にこんな記事がありました。
"Die unbeliebten Chinesen (評判の悪い中国人)"
http://www.zeit.de/studium/uni-leben/2014-12/grossbritannien-universitaeten-chinesische-studenten-spannungen
イギリスの大学で中国人学生が増えているという話で、でも言語や文化の違いを配慮したintegration(統合、という訳もなんか違う気がするけど…)の対策が進んでいないため、他の学生や講師から不満が出ているという話題です。「やつらは英語喋れない」「学生寮の共同キッチンでしか、彼らを見ないよ」「授業がうまく進められない」とか愚痴を言ったり偏見が生まれたりしているようです。
学籍上、20年前には2,368人だった中国人学生の数は、いまや84,000人らしいです。
そして、旧植民地のインドの学生数を超え、なんと大学院に至ってはイギリス人と同じくらいの割合で中国人学生がいるとのこと!
地球温暖化もそうですが、それだけ急に変化が起きれば破綻も起きるなと…
確かに、2年前に先輩の研究調査についていって、シェフィールド大学に寄ったとき、そこも中国人学生が非常に増えていると現地の先生方はおっしゃってました。
大学周辺の街区もチャイナタウンとまではいかずとも、中国系のお店が増えたりしているようでした。
シェフィールドだけかなと思ったら、イギリス全土の現象だったようで。
国外の学生からは通常の3倍近く学費を払う仕組みになっているので、イギリスの大学は中国に積極的に学生狩りをしにいっているそうです。よくない言い方をすれば金づるですね… 中国のほうとしても、イギリスの大学を卒業したらハクがつくでしょう。一見win-winです。
一方、日本でも中国の学生さんは実感として確実に増えています。統計はチェックしていませんが…
また、某大学の先生が、一度中国人の学生を受け入れるとそのあと芋づる式にコネを頼って学生がやってくるけど、その質がいいとは言えなくていまは断るようにしている…と困っていたのを思い出します。
もちろん、身近に優秀でできる中国人学生もいますが、全員が全員そうではないだろうし、やはり文化的な差異もあるからなぁ…と手放しに受け入れるのは難しいところです。
当たり障り無く、ある程度見過ごして学位をとらせてあげているのが現状かと思いますが、はてそれでいいのかなぁとかも。学位の質が落ちる…
(日本人に対しても同じようなことしてますが)
とはいえ、少子化で大学の経営維持が難しくなってくるなか、どこの大学も現状をキープしたいのであればおそらく中国人をはじめとした留学生をどんどん入れなければいけないと思います(キープしない姿勢のほうがむしろ大事だと思うけど、それはさておき)。
しかし、他民族に触れる機会をもつ欧州の国ですら苦戦しているのに、まったく経験のない日本が成功できるのかは疑問です。
普段こういう話題になると常々、留学生を受け入れる前にまず日本人を外へ放り込んで、留学生の気持ちになれる内部の人材をつくるべき、と主張していたりします…
オリンピックも然り、おもてなしもいいですが、まずは相手のことを知るために、みんなまず外に出よう!と思うのです。鎖国をしないのならば、それは絶対必要と思います。